第13章 特別隊首会
「さぁ奴らに思い知らせてやろうじゃないか。私達の存在を。姿を消していた零を復活させる時だ!」
流歌はニヤリと笑った後、重ねた手を引っ込め、両手をパンと叩く。
「というわけで…始まるまで自由行動」
各々が散る中、流歌と蒼生だけはその場に残った。
「蒼生くん」
「なんだ」
「今まで我儘言って困らせてごめんね」
「お前の我儘に付き合うのも慣れた」
「信じて待っててくれてありがとう」
「妹を信じない兄貴がどこにいんだ。フツー信じるだろ。何があっても俺はお前の味方だ」
ぶっきらぼうに言う蒼生だがその言葉に優しさが込もっていて流歌は嬉しそうに笑んだ。
「優しいなぁ、お兄ちゃんは」
「優しくねぇよ。それとお兄ちゃん言うな」
「蒼生くんってさあ…」
ニヤリと笑い、蒼生を覗くように下から見上げる。
「私のこと、大好きだよね〜」
「……………」
「何だかんだ言ってもキミは私が大切だからずっとそばにいてくれるんだもん」
からかい気味に言う流歌だったが…
「…そうだよ。俺はお前が大切だから、この世で一番守りたい存在だから、俺がお前のそばにいて、ずっとお前を守る。」
「!」
「妹が好きで何が悪い」
何故かキレ気味に言われ、思わず笑ってしまう。
「ふふ…ふふふっ」
「あ?何笑ってやがんだ」
「んーん!何でもなーい!」
両腕を後ろで組み、ニコニコと笑みを浮かべて蒼生を見上げる。
「ねぇ蒼生くん」
「今度はなんだ」
「大好き」
「…知ってるっつーの」
「だからね、いつか教えて欲しいの」
「何を?」
「あの時、キミが言いかけた言葉の続き」
「!」
『なァ…梨央』
『お前俺に…』
『いや…何でもねえ』
「……………」
蒼生は途端に表情を沈ませる。
「お前は…消えるなよ」
「え?」
「俺を残してどこにも行くな」
「どうしたの?」
「お前までいなくなったら…俺は生きていけない」
「蒼生くん…」
「お前がいねえと俺は…」
弱々しい声を出す蒼生に珍しさを感じた。
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