第13章 特別隊首会
「私が間に合わなかったせいで…彼らはあんな最期を迎えた。せめてもの罪滅ぼしとして、私が犠牲になることで救えると思った。守りたかったんだ…彼らの生きた証を」
その場にいるみんなが“やっぱり…”というような表情を浮かべる。
「お前は責任感が人一倍強い奴だ。そんなことだろうと思った」
「蒼生くん…」
「誰もお前を責めねえよ。現に俺達は何者かによって足留めされていた。もっと早く虚を全滅させるべきだった。そうすればお前はあいつらを助けられたかも知んねえのに」
「キミ達のせいじゃない。あの連中の罠に気付けなかった私の落ち度だ。まんまと奴らの仕掛けた罠にハマった。それで全てが悪い方向に転がってしまったんだ」
「でもこうしてまた僕らは会えた。君が約束してくれたから。僕らもそれを糧にして君の帰りを待ち続けた。ありがとう梨央、君が命懸けで守ってくれた“帰る場所”に僕らは帰ることができた」
「雅……」
「感謝してるっスよ。梨央チャンがオレ達を守ってくれたからまた一緒にいられるっス」
「琉生…」
「あたし達の為にここまで頑張ってくれてありがとう」
「君は僕らの自慢の隊長だよ」
次々に感謝の言葉を伝えられ、流歌は目に涙を滲ませて微笑んだ。
「蒼生くん」
「雅」
「琉生」
「詩調」
「霙」
柔らかい口調で一人一人の名前を呼ぶ。
「キミ達は私の自慢の仲間だ。秋桜の花のように私達の結束は揺るがず、絆は永遠に切れない。ありがとう…キミ達と出会えて良かった」
「うん!霙達も梨央ちゃんと出会えてよかった!」
「これからもキミ達に迷惑をかける。それでも信じて私に着いて来てほしい」
手の甲を上に向け、スッと差し出す。
「迷惑なんて今更よ」
「お前の迷惑さには慣れた」
「仕事サボるし遅刻魔だしね〜」
「それでも君は僕らの隊長だ」
「ずっと着いて行くっスよ」
みんなが流歌の差し出した手の上に手を重ねる。
「私達はもう十三隊じゃない。霊王を護り、静霊廷を守護する者。零の名を掲げ、悪しき者をこの世から葬り去る。それが零番隊だ」
その瞳には強い意思が込もっている。
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