第13章 特別隊首会
「隊長は悪くないわ!」
「そーだよ!確かに零は解散しちゃったけど…そのせいで霙達はバラバラになったけど…でもそれは梨央ちゃんのせいじゃない!」
「隊長の判断は正しかった!
だから謝らないで!」
そう気を遣うも、流歌は小さく首を振る。霙と詩調とは違い、男性陣は頭を下げて謝罪する流歌をじっと見つめていた。
「いや…謝らせてくれ。理由も伝えず、突然キミ達の前から姿を消した。身勝手な私を許してほしい」
「梨央ちゃん…」
「慣れない場所での生活は本当に大変だったと思う。斬魄刀を取り上げられ、浅打で代用するように言われた時のキミ達の気持ちは痛いほど理解っていた」
頭を上げず、辛そうに眉を寄せながら、哀愁を帯びた声で謝罪を続ける。
「本当に悪かった…」
そんな姿を見た詩調が静かに語り出す。
「本当のことを言うとね?
…“どうして”って思ったわ」
「!」
「無実なのにどうして罪を認めたの。どうして隊長が犠牲を払うの?最初は全然…解らなかったのよ…」
「……………」
「どうしてあたし達はバラバラになるの?どうしてあの男は悠然と構えていられるの?どうしてどうしてどうして…!……ってね」
「しぃちゃん…」
「怒りで頭がおかしくなるかと思った。目の前が真っ暗になって…無性にイライラして…納得できなかった」
「……………」
「でも何か理由があると思った」
「!」
「じゃなきゃ…隊長が自分から捕まるような真似、しないもの」
「うん。しぃちゃんの言う通り」
霙はどこか切なそうな表情で軽く笑む。
「霙もね、“どうして”って思った。何でみんなとバラバラにならなきゃいけないの?どうして梨央ちゃんはいなくなったの?ずっと…不思議に思ってた。すごく悲しくて…たくさん泣いた」
「……………」
「蒼ちゃんの思いを知って気づいたの。何か理由があって自分を犠牲にしたんだって。だからね…待つことにしたんだ」
流歌は下げたままの頭を上げた。
「あの人達を守る為だったんだよね?」
「あぁ」
「責任を感じてやってもいない罪を認めたのよね?」
流歌は小さく頷く。
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