第13章 特別隊首会
「様々な反応だが一番盛り上がってんのはお前の処刑話だな」
「ほんと失礼しちゃうよねー」
「こうして全体を見渡してみるとマジでデカイ小屋の中で飼ってる家畜の群れだな」
蒼生は顔を歪める。
「(あ……)」
顔を覗かせていると日番谷の姿を見つけた。
「……………」
「どうした?」
「いや、何でもない」
スッとその場から離れる。
「始まる前に円陣でも組もうか」
みんなが円状に並ぶ。
「何であんたが隣なのよ!」
「たまたまっスよ!」
「わざとだったら目潰しよ」
「怖ッ!?」
「それと近寄らないで臭い。」
「“香水が”ね!?オレが臭いみたいな言い方ヤメテ!?」
「ちゃんと洗えっつってんでしょーが…」
「それはマジで申し訳ねえっス!!」
「女たらしの下衆野郎。」
「怖ッ!!」
殺人級の睨みで琉生に辛辣な言葉を吐く。その鋭い眼光に琉生はビクッとした。
「喧嘩はそこまでにしよう」
柔らかな口調で二人を宥める雅。
「今日は素晴らしい日なんだから喧嘩は御法度。やっと零が復活するんだから。ね?」
「「……………」」
いつもは食い下がる詩調も雅に言われると流石に反論できない。琉生も雅に優しく咎められ、これ以上怒らせないように黙る。
静かになった二人に雅は流歌に視線を送る。
“始めていいよ”
その合図に頷いた流歌は全員の顔を見回す。
「まず最初に謝らせてくれ」
その言葉に全員が首を傾げる。
「百年前、私の自己判断でキミ達を悲しませた。正しいと思っていた選択は逆にキミ達を傷付けてしまった」
「……………」
「キミ達の思いを無視して、私の判断で零を解散させ、そしてキミ達をバラバラにさせた」
辛そうに顔をしかめる。
「私は自分が犠牲になることを優先した。それしか方法がないと思っていたから。でも…結局私はキミ達に迷惑をかけた。本当に申し訳なかった」
謝罪の意を示し、頭を下げる流歌を見て詩調と霙は慌てふためいた。隊長とあろうともが部下同然と云える仲間に深く頭を下げているのだ。二人は必死に頭を上げさせる。
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