第13章 特別隊首会
一方、今日の隊首会の本当の意味を知らない隊士達は…
「全員集められるなんて何事だ?」
「隊長格達まで揃ってるぜ」
「何が始まるのかしら?」
「小耳に挟んだ話だと今日の隊首会は神崎の為に用意されたらしいぜ」
「ついに処刑か!」
「全員が見てる中で土下座とか?」
「それいいな!」
「ま、見世物としては退屈しなくて済むけどな」
ケラケラと可笑しそうに笑う隊士達は声を楽しげに弾ませ、流歌の処刑話で盛り上がる。
「あいつがいなければ桃香ちゃんは安心して幸せでいられるんだ」
「あの野郎がした行為は絶対に許さねえ」
「あぁ、人として最低だ」
「死ぬことで罪を償えるんだ。処刑なんて軽いもんじゃねえか」
「あいつにお似合いの最期だな」
「これでもう大丈夫だよ桃香ちゃん」
「でもぉ…桃香のせいで流歌君が死んじゃうなんて悲しいよぉ…」
握り拳を口元に当て、潤んだ瞳で隊士達を見上げる。その仕草にドキッと胸が跳ねた。
「桃香ちゃんは本当に優しいな」
「あんな奴の心配なんかするだけ無駄だって」
「悪いのは全部神崎なんだからさ」
「これからもオレ達が守るからね!」
「本当?みんなで桃香のこと、守ってくれる…?」
「もちろんだよ!」
「桃香ちゃんを傷付ける奴は誰だろうと許さない!」
「ありがとぉ❤︎えへへ〜桃香ってこんなにみんなから愛されてるんだね♪嬉しい❤︎」
桃香はわざと頬を赤らめる。
「桃香ちゃんは愛される為に生まれてきたんだ」
「オレ達は何があっても味方だぜ!」
「(…ほーんと…馬鹿な家畜。)」
桃香は込み上げる笑いをどうにか抑える。
「(笑える!笑えるわ!)」
顔を俯かせた桃香を見て隊士達は不思議そうな顔をする。
「桃香ちゃん?どうかした?」
「ううん、なんだか嬉しくて…」
「嬉しい?」
「うん」
顔を上げた桃香はニコリと微笑む。
「桃香みんなのこと大好きだよ」
「俺達も好きだぜ!」
「嬉しい❤︎」
「桃香ちゃん一筋だしな!」
「(…ホント扱いやすい)」
桃香はニヤリと笑った。
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