第12章 零番隊復活
「わぁ!綺麗なお菓子〜!」
「喉に詰まらせないように」
「問題ナッシング!」
霙はグッと親指を立てる。
「そう言えばるーたんは?」
「今回は不参加」
「どうして?」
「“いつものこと”でしょ?」
「あー…なるほどねぇ…」
霙は興味なさそうに呟く。
「こっちの方が絶対に楽しいのに、るーたんってば損してるー。人肌が恋しいからってその辺の女引っ掛けるなんてサイテー」
「御影の“アレ”は死んでも直らないわ」
「死ななくても直らないよ〜」
「たしかに」
「らんらんも気をつけてねー」
「あんなチャラ男、こっちから願い下げ。というか誘われたって行かないわよ」
「ぷぷー!るーたん可哀想〜!」
「(今頃くしゃみしてそうだな…)」
“ご愁傷様”と心の中で同情し、その場から離れる。様々な場所でそれぞれ違う話題で花を咲かせ、盛り上がってる光景を見て微笑む。
「お疲れ様」
「!」
後ろからポンと肩を軽く叩かれ、横を見ると雅が立っている。
「キミもお疲れ様」
「準備大変だったんじゃない?」
「そうでもない」
「言えば手伝ったのに」
「席官殿をコキ使うなんて恐れ多い」
「またそうやってふざける」
「はは」
呆れた顔をする雅に軽い笑いを溢す。
「ありがとう、梨央」
「ん?」
「僕達の帰る場所を守ってくれて」
「約束したからね」
「キミは本当に凄いよ」
「今日は褒めるね」
「褒めたい気分なんだ」
「そっか」
「みんな、笑ってる…」
「今日のお茶会は記念になる」
「うん…思い出に残るね」
「キミ達の帰る場所を守れて良かったよ。私は約束を果たすことができた」
「信じてた。君なら必ず僕達を守ってくれるって。だから僕らは頑張れるんだ。これで…もうバラバラにならずに済む」
「キミ達を手放すつもりはないよ」
「ほんと梨央の台詞はかっこいい」
「そっちこそ茶化さないでよね」
「心の底からそう思ったのに」
「ふふ、冗談。キミ達のことは私が守る。誰も独りぼっちにはさせない…」
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