第12章 零番隊復活
「(何だったんだろう…?)」
幻だったのだろうか?…そんなことを考えていると…。
「あー!もう始めてるのー!?」
「!」
「やちるじゃない」
「まだお菓子ある!?」
「今から始まるところです」
「わーい!」
両手を挙げてその場で飛び跳ねるやちる。そしてその後ろから…
「待ちやがれやちる…!!」
息を切らした蒼生が走って来た。
「急に猛スピードで走って行きやがって!!ビックリするだろうが!!」
「だってお菓子の匂いがしたんだもん」
「おかげで追いかけるの大変だったんだぞ」
「あっくんが遅いんじゃん」
「お前が速すぎんだよ!!ジェット機並みの速度であっという間に消えやがって…。危うく見失いそうになっただろうが」
「あはは!あっくん汗だく〜」
「笑ってんなボケ。誰のせいだ…」
米神から流れ落ちる汗を拭う。
「お前が迷子になったら探すの俺なんだぞ。ちょこまか動くなって言ってん…」
「そーだ!帰りは鬼事しよ!」
「誰がするかっ!」
「あっくんが鬼ね!あたし逃げる!」
「お前はちったァ反省しろ…!!」
「(相変わらずいいコンビだなぁ。)」
自由奔放なやちると振り回される蒼生。そんな二人の仲の良さに流歌は微笑ましそうに見ていた。
「あっくん!こっち!」
「そんなに引っ張んな」
「霙様もとうちゃーく!!」
バーン!!と効果音が付きそうな勢いで腰に両手を当てた霙が颯爽と現れた。
「また騒がしいのがきた…」
蒼生は頭に手を当て、溜息を吐く。
「やっちー!」
「みんみん!」
手を取り、ぶんぶんと上下に動かす笑顔の霙とやちる。そんな二人を見て蒼生は“似た者同士”と思った。
「お前らが揃うと騒がしさ倍増だな…」
「「何か言った?蒼ちゃん/あっくん」」
「何でもねー」
キョトンとする二人。
「先に行ったら迷子になるわよ」
「しぃちゃん!」
「急に走ったら驚くじゃない」
そんな詩調を見て“お前もか…”と蒼生は同情した。それから参加者達がぞろぞろと集まり始める。
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