第12章 零番隊復活
「あいつらが簡単に許可したとは思えないんスけど。何か裏があったりするんスか?」
「うむ…最初は全員が零番隊の復活に猛反対しておった。その理由は…梨央の存在じゃ」
ピクリと蒼生の眉が跳ね上がり、顔をしかめた。
「並外れた能力と桁違いの戦闘力を誇る梨央の力を危険視した四十六室は、お主を自由にさせておくことを恐れた」
「酷い…!」
「本当に勝手な連中ね」
「だが護廷にとって梨央は貴重な戦力。強大な力を有するお主を利用することで、再び勝利が約束されると考えたのじゃ」
「利用ですって!?」
「マジで最低っスね」
「確かに梨央は誰よりも強い。それこそ死神の頂点に君臨する程の実力者だ。君がいれば負けることはほぼないからね」
「そんなの勝手だよ!戦いに勝てば梨央ちゃんを欲しがって、敗ければ切り捨てる!そんなの…勝手だよ!」
「蒼生…」
「……………」
霙の悲痛な叫びに雅は蒼生を心配そうに見る。彼は何も言わず、ただ黙って聞いていた。
「百年前だって本当は梨央ちゃんの力を恐れたから…!」
「霙、いいよ」
「でも……」
「今は自由なんだ。あの連中が私の存在を恐れ、忌み嫌っているのは知っている。だがこのまま奴らの思い通りには動かない」
ニヤリと不敵に笑う。
「キミ達にも感謝してるんだ」
「あたし達に?」
「私を、もう一度兄と会わせてくれてありがとう。キミ達がいたから私は彼の元に帰って来ることができた」
蒼生は梨央を見る。嬉しそうにこちらを見て微笑む梨央に蒼生も小さく笑み、そんな二人を見た四人も嬉しそうに笑い合う。
「それと“卍解”の許可は出なかった故、すまぬがそこは我慢してくれの」
「零を復活させてくれただけで充分です」
「前に梨央に配らせた『特別隊首会』でお主らの存在を発表させる」
「了解しました」
「これでみんな一緒だよ!」
「本当に永かったわ…」
「(やっと…取り戻せた。)」
梨央は和らげな笑みを浮かべる。
「話は以上じゃ」
山本の合図で梨央達は解散した。
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