第12章 零番隊復活
【一番隊舎】
「お呼びですか」
「ご苦労」
元の姿に戻った梨央は山本の前に立つ。
「青蝶を飛ばしたということは…」
「うむ。そろそろお主の意見を聞いておこうと思うての」
「私の意見?」
「ここ最近のお主の活躍は良いとは言えん。その理由は…解っておるな?」
「…冴島桃香の件で少し派手に動き回りました。まさか…奴らの目に触れましたか?」
「然様。儂を呼び出し、お主の失態について永遠と語っておったよ」
「ハッ!相変わらず暇な連中ですね。断罪者を裁くことしか能が無い奴らに私のことをとやかく言われる筋合いはありません」
「まぁその件についてはもう良い。儂がお主を呼び出したのは別の件じゃ。今日、“お主の意見を聞かせてもらう”…良いな?」
「どんな意見なのかは知りませんが、わざわざ私を呼び出してまでの招集です。ぜひ聞きましょう」
「お主が百年前に投獄されて皆、随分と寂しい思いをしておった」
「!」
「儂は心を痛めたよ。皆のあの時の悲しい顔は今でも忘れておらん」
「……………」
「じゃが儂は総隊長という立場、冷酷な判断を下す必要がある。例え怒りを買っても…儂は儂の仕事をするしかなかった」
「分かっています。総隊長は間違っていません。あなたは自分の仕事をしただけです。私は責めもしないし、咎めたりもしません」
「お主は相も変わらず優しい子じゃのぅ」
「私は優しくなどありませんよ。むしろ私のせいで総隊長にご迷惑をおかけしました。そして同時に感謝もしています」
胸に手を当て、目を瞑って微笑む。
「私が護廷で働きたいと言った時、快く了承してくれたこと。仲間との失った時間を過ごすことを許してくれたこと。そして…私の存在を受け入れてくれたこと。本当に感謝しています」
「前にも言うた筈じゃ。お主を拒絶することはあり得ぬ。例えお主が何て呼ばれようとも、儂はお主を嫌ったりはせぬよ」
「はい…ありがとうございます」
「さて…少し話がズレたな」
山本は長い髭を撫でながら、梨央を見る。
「四十六室に呼び出された時、儂はお主の今後の“価値”を話し合った」
「!」
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