第9章 『はちみつ色のキミ。』 木兎光太郎
「うわっやべっ!」
バランスを崩し、前のめりになる木兎。
目の前にはつま先立ちの私。
厚い胸板が私の体を押し、私の体は後ろに倒れる。
ぎゅっと目をつぶって次に来る痛みに耐えようとした。
けど、痛みは来なかった。
「ギリギリだなー…」
やけに近くで聞こえる木兎の声。
恐る恐る目を開ければ目の前に木兎の顔。
びっくり…
びっくりしたけど、それ以上に私は、木兎の瞳に惹きつけられた。
『木兎の目、キラキラ綺麗…』
「急に…なんだよ…」
照れているのか頬を赤く染めた木兎。
『なんだろ…何かに似てるんだよな…』
じっと見つめて考える。
きらきらできんいろ。
なんだっけ…