第9章 『はちみつ色のキミ。』 木兎光太郎
「ありがとうございましたー。」
軽やかな店員さんの声を背中に聞きながら私と木兎はコンビニを出た。
じわり。
汗がにじむ。
『木兎ぉ…途中で食べてこーよ…』
そう、私が呟けば木兎は私の腕を引き、帰り道とは違う方向に進んでいく。
『ちょっと木兎?どこ行くの?』
「ん?いーとこ!」
そういい連れて行かれたのは近くの公園。
誰もいない公園に着くと、木兎は私の手を離し走り出す。
「夏乃座ろうぜ!」
我先にベンチにたどり着くと自分が座った隣をべんべんと叩く。
歩いて近づくと、私は木兎の隣に座る。
そして、先ほど買ったガリガリ君コーラ味を渡した。
「夏乃は何にした?」
『私はソーダ味。ガリガリ君って言ったらソーダでしょ!』
2人でいただきますと言うと、袋を開けアイスを食べだす。
無心でアイスを食べていると、先に食べ終わりそうな木兎から喜びの声が上がった。