第9章 『はちみつ色のキミ。』 木兎光太郎
「夏乃アイス食いてー!」
『じゃあコンビニで買えばいーじゃん。』
ジロリと木兎を見れば、財布の中を見て一言。
「財布空っぽ…」
『はぁ?』
嘘かと思って財布を覗けば残金なんと38円。
「腹減りすぎて昼、買いすぎた。」
『これじゃあガリガリ君も買えないね。』
私がそういえばしゅんとする木兎。
「夏乃…」
しょぼくれモードでこちらを見てくる木兎。
『買わないからね?』
絶対買わない。
買わない。
「夏乃…」
『今日だけだよ…』
ため息混じりにそういえば、しょぼくれた顔はぱああと輝き、太陽みたいに笑う。
「やった!じゃあそこのコンビニ行こうぜ!」
そういうと、木兎は私の腕を引きコンビニに走った。