第6章 『初夏の日は落ち行く。』菅原孝支
拙い言葉で伝えれば、背中で聞こえる喜びの声。
『菅わ「はいその呼び方。」
振り返れば頬を赤く染めた菅原と目があう。
「名前で呼んでよ。」
『名前?』
「うん。苗字で呼んでたから名前わかんねーなんて言わせねーからなー?」
意地悪な顔で笑う菅原が可愛くて、でも照れくさくてぷいっとそっぽを向く。
『菅原は菅原だもん!それ以上でもそれ以下でもないし!』
「ちぇー。残念。」
なんて言いながら私の右手をぎゅっと握る。
「せっかくだし、一緒に帰んべ?」
下から覗かれるように顔を見られ、私はまたそっぽを向く。
だって恥ずかしいんだもん‼︎‼︎
『うん…一緒に帰ろ?……孝支…』