第41章 『嫌い、すき。』孤爪研磨 R18
鍵を送って数日後。夜勤明けで帰宅をした私は自宅に帰り睡眠を貪っていた。
疲れていたのだろう。ベッドで泥のように深く眠り、意識が浮上した頃には窓の外は夕陽に変わっていた。
そんな時に玄関から聞こえたチャイム。
宅配でも頼んでいたかなと寝ぼけた目元を擦りながら玄関に向かい鍵を開けドアを開けた。
「見つけた」
開いたドアの前。
そこにいたのは研磨だった。
研磨は私が開いたドアが閉まらないように体を捩じ込み玄関に入ってくる。
「っ、や。」
「話、したくて。このまま終わりたくない。」
「私はもう話すことなんてない。」
玄関を閉められ鍵をかけられる。その流れで研磨は私の体を抱きしめて離さない。
「もう、別れたじゃん…」
「俺は別れたくない。」
抵抗しても抜け出せない体。肩や胸元を拳で叩くけれどそれでも研磨は離さない。
「だって、研磨の優先順位の一位は私じゃないもん。」
私がいくら頑張ったって、研磨の1番は私じゃない。
そんなの最初からわかっていたけれど、それでも期待してしまう。
「だから離れたんだよ。」
叩いていた拳を緩め力なく呟く私を研磨は両腕で抱きしめると、そのまま抱き上げて部屋の奥まで連れて行く。そしてそのままベッドに腰をかけると私の耳に声を吹き込んだ。