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夜の少年達【HQ】

第41章 『嫌い、すき。』孤爪研磨 R18



帰るのは面倒。そんな理由から連れて行かれた、会場の上のホテルの一室。
幹事の黒尾先輩に私の手を引きながら抜けることを伝えた研磨は先輩の追求するような瞳に心底嫌そうな目をしながら会場を後にした。
指先を絡められたまま会場を出て、受付。すぐに取れた部屋は私が地方遠征で泊まるような狭いビジネスホテルのような部屋ではなく、勿体無いほどに華美で広い。
私がこんな部屋にいていいのか。
そんな不安を覚えたけれど、研磨はそんな疑問も思わないようで、ジャケットとジレを適当に脱ぎ椅子に引っ掛ける。

「皺になっちゃう。」

思わず口から出た言葉。
華美な部屋に、珍しくしていた緊張が解ける。
ふかふかの絨毯の床を歩き、椅子にかけられたジャケット達を手に取るとクローゼットを開きハンガーにかける。

研磨に背中を向けてクローゼットにハンガーをかけるために手を伸ばすと、ちい、とファスナーの開く音。

「夏乃まだ…?」

うなじに触れる柔らかな感触。
少しだけほぐれた緊張がまたぶり返る。

「お、ふろ…」
「やだ、待てない。」

開いた背中のファスナーから侵入する冷たい指が、パーティ用に新調したレースのヌーブラの上をなぞる。
外しにくい下着。
これで諦めてくれるかと思った。
でも研磨は両の手を侵入させるといとも簡単に中心のホックを外し、開いたうなじに軽く歯を立てる。

「や、けんまっ…」
「夏乃、したい。」

首元を彩るパールのネックレスが外され、机に置かれる。揺れるピアスも、綺麗に整えた髪の毛を飾るヘアアクセも。

アクセサリーを外し終えた指が再び侵入し今度はお腹をなぞると、ヌーブラに合わせたレースのTバックに行き当たる。
すう、と入り込む指が足の付け根をなぞり、理性を崩していく。

「……だめ?」

わざとらしく耳元で問いかける声。
それに首を横に振って答えると、下着越しに足の合間を指がなぞる。

「ちゃんと言わないとこれ以上できない。」

意地悪。
そんなことを言いながらも、お尻に当たる研磨のスラックス越しのそれは、私に興奮を訴えている。

「けんま…お願い」

後ろを振り返り懇願するけれど、猫のような瞳は細められ私の心の中まで覗く。

「けんまが、ほしい。」

観念してそう告げれば、研磨の唇が笑みの形に動いたのを私は見逃さなかった。

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