第40章 『センセイ、もう一度質問いいですか?』灰羽リエーフ R18
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ふと目が覚める。
ベッドにいたはずなのに、私はソファで横になっている。
ベッドが乱れてそのままになっているが体液で汚れていて使えない。
先生はいない。
タイルを水が叩く音が聞こえるからお風呂にいるのだろう。
今のうち帰ろう。
一夜だけの夢だと思えば辛くない。
下着を履き、ストッキングを履く。
洋服を着たところで水音が止まった。
急がなければとバッグを探すけれど、ベッド横に荷物が散乱している。
慌ててかき集めていたけれど全て拾い終わる前に、腰にタオルを巻いた灰羽先生が浴室から出てきて目が合った。
「っ、帰ります。」
乱雑に中身を詰めたトートバッグを抱え、視線を下にして外に出ようとすれば、先生の声が背中に刺さる。
「じゃあこれは要らないんだな。」
振り返ればそれは可愛らしいケースに入ったスマートフォン。
それは私のもので、それを持つ先生は口を歪ませて笑う。
「返して、ください。」
「嫌だ、って言ったら?」
何が目的かわからなくて先生の方につま先を向ければ
、先生はソファに座りとんと自分の膝を叩いた。
流石に気が引けて隣の空いたスペースに座るけれど、先生がスマホ、と笑顔で言うから私は先生の足の間に座った。