第40章 『センセイ、もう一度質問いいですか?』灰羽リエーフ R18
吐く息が白くなる時期が来た。
黒の薄手のVネックのニットにスモーキーピンクのフレアスカート。黒の透け感のある柄ストッキングにパンプスという男ウケだけで選んだ今日の服装。
容量だけで選んだ無個性な黒のトートバッグを肩へとかけ、駅へとたどり着く。
今日は帰ったら課題をやって…
ああ、来月提出のレポートも始めておかなきゃな。
ご飯はコンビニでいいや。
次の電車何時だっけ。
いろんなことを頭に巡らせながら、私の目はきょろきょろと"何か"を探す。
街で、駅で、人が多いところで。
癖になってしまった人探し。
あのシルバーのさらさらの髪の毛が。
人より大きい身長が。
宝石のような人を惹きつけてやまない瞳が。
どこかにいるのではないかと
いつも探してしまう。
いないことにため息をついてしまう自分が嫌で
早くこんな癖をやめたいのに
それでも視線が
いない貴方を探してしまう。