第38章 『S系女子の捕獲』 日向翔陽 R18
着いたのは最上階。
降りたらすぐに広がるエントランス。
ぼやりとした頭で考えるのは広すぎる部屋のこと。
その部屋の中央にある大きなベッドに寝かされてピンヒールを脱がされる。
ふわふわのマットレスにうつ伏せで体を埋めると、灰羽はその横で煩わしそうに固めた前髪を乱しながらネクタイを緩めている。
「あー、つっかれた…堅苦しいの苦手なんだよ…」
独り言のようにつぶやかれた言葉。
アルコールでぼうっとした頭で聞き流す。
ジャケットとベストを脱ぎ、ソファに放る。
そして灰羽は、私のいるベッドに腰掛けた。
「ねえ夏乃さん。」
ぎじり、ベッドが鳴る。
顔にかかる髪を長い指がはらう。
やばい、と思った時には遅かった。
体が反応した頃には太腿に重みが加わっていた。
「灰羽…」
「ねえ、抱かせて?」
しゅるりとなる絹擦れ。
首の後ろで結んでいたシルクのリボンが解ける。
慣れたようにドレスの背中を編み上げていたリボンを解いた灰羽はドレスの隙間から私の胸を揉みしだく。
「っやあっ…」
ドレスだから、と着けていたヌーブラも剥ぎ取られ、アルコールで敏感になった体を長い指でなぞっていく。
「やわらけ…ねえ夏乃さんマジで俺のモンになってよ。」
「だめ…だってばっ…」
抵抗するけれどその度にドレスは乱れ、肌色の面積が増える。
「乳首立ってる、気持ち良いんでしょ?嫌だったら抵抗して?」
身体が敏感なのはアルコールのせい。
抵抗するにも太腿に乗られていたらろくな抵抗もできない。
「ね、夏乃さん。」
ちう、軽いキスを頬にされ、背筋がひやりとする。
ああ、だめだ。
「っ!翔ちゃんっ!」
咄嗟に呼んだ、絶対届かないはずの名前。
それでも、私が助けを求めるのは…
「夏乃ちゃん!!!」
翔ちゃんなんだ。