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夜の少年達【HQ】

第38章 『S系女子の捕獲』 日向翔陽 R18




食事会当日。
大学が終わったあと指定の美容院へ行けば、すでに到着していた灰羽が髪の毛をセットしていた。

「夏乃さーん!」

「うるさい。ドレスに着替えてヘアセットとメイクでしょ。何時から会食?」

「7時からです。45分には出ますよ。」

「了解。」

話は通っているようで、すぐにフィッティング室に案内され数日前に購入したドレスに身を包む。

「夏乃さんはピンクが似合うね。」

そう言われて決めたピンクのチューブトップ型のワンピース。
コルセットのように締めることができるのでグイグイ締めてもらう。
首の後ろでリボンを結ぶタイプだが胸元が心もとない。
パールの3連ネックレスを付け黒のストールを肩にかけ、ストッキングを履くとフィッティング室を出る。

パンプスは黒地で踵部分にレースとリボンがついたピンヒールを履き、案内された鏡の前に座る。
目を瞑れば触れる他人の手。
うっかり寝そうになるくらい優しい手でメイクを施され、気づけばいつもより綺麗で清楚なメイクを施される。
ボブの髪の毛をゆるふわに巻いてもらい、アレンジ。
ヘアアクセも似合うからと、ドレスの色に似たピンクのリボンを買ってくれた。

「終わりましたよ。」

全てが終わり、いつものメイクボックスからリップを取り出す。
食事で落ちる可能性を考えて、リップだけは自前の淡い色を選択した。

「うん、やっぱり可愛い。夏乃さん。」

「当たり前でしょう。」

目の前の着飾ったイケメンに言われるとイラッとしてしまうけれど、それでもきっといつもより可愛い。

ぴろん、スマホが鳴り確認すればそれは翔ちゃんからで、朝送った誕生日おめでとうの返信。
今日は会えないこと。
次会える時改めてお祝いすることを打ち込むと、私はスマホの電源を切る。

この格好、見せたかったなぁ。

ほとんど何も入らないような小さなパーティバッグにスマホと必要最低限のものを詰め込むと、元の着替えとほかの荷物が入ったカバンを持ち、灰羽に開けてもらったドアをくぐったのだった。

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