第33章 『秘密、ひみつ。』赤葦京治 R18
「へえ、お前、そんな口聞けるんだ。」
ひやり、背筋が凍った。
顔があげられない。
「お前は、悪い子だね。」
足が震えて止まらない。
「っ…言いますっ、先輩が何してたか…」
脅し、ともとれるこの言葉に、先輩は笑う。
「無駄だね。俺、一応真面目なキャラで通してるし、部活もサボったりしないし。
信じる奴なんていないんじゃない?」
親は教育委員会。
文武両道。
確か、何かしらの委員会にも入っていた気がする。
完全に、私の負け。
「悪い子にはお仕置き、だね。」
おし、おき?
重たい頭をあげると見えたのは、にやりと笑う赤葦先輩。
怖くて、こわくて、ぺたん、と尻餅をついた。
「これからお前は、俺のペットだよ。」
「ぺ…と。」
「主人にはちゃんと返事。」
近くにあったパイプ椅子に腰を下ろし、足を組んだ赤葦先輩。
完全なる独裁者の瞳で見つめられた私は
はい、と返事をする以外の方法がなかった。