第32章 『S系女子のいいわけ』 日向翔陽 R18
いつもと違う強引な翔ちゃん。
マンションの階段を上がり自室の鍵を開けると、開いたドアから強引に押し込められ、お尻から玄関に倒れこむ。
「ね、夏乃ちゃん。
やっぱおれじゃ物足りない?」
初めての時とは逆。
今度はわたしが押し倒される。
「リエーフみたいなかっこいいやつと付き合う方がいい?」
「ちが…」
「おれ、夏乃ちゃんとしかシたことないからおれのえっち普通なのかもわかんないし、夏乃が満足してるのかもわかんない。」
いやいやいや、翔ちゃん。
気絶するまでイくって普通じゃないからね。
「それに、本当におれが彼氏でいいのかなって…」
そう言いながら私をぎゅっと抱きしめる翔ちゃんの頭を、私はそっと撫でた。
「そんなに心配だったらちゃんと聞いて?」
数秒の間をおいて、翔ちゃんはわたしから体を離す。
不安そうな目でさらに問う。
「おれ、夏乃ちゃんに色々聞いてもいい…?」
「まあ、答えられることなら…」
そう答えた時、ふわり、持ち上がる体。
え、と思う間も無く私の体は部屋の中に移動していた。
「夏乃ちゃん。色々聞いていいんだよね?」
座った形のまま抱かれた…一般的に言うお姫様抱っこの体勢で翔ちゃんは口角を上げながら私に問う。
翔ちゃん…私が困り顔に弱いのわかってて…!
見事に騙された私。
とさり、とベッドに落とされた体。
翔ちゃんを見れば着ていたTシャツを脱いでいる。
「いろいろ、教えてね?夏乃ちゃん?」
するりとスカートの裾を割って入ってきた指は、私の太ももに爪を立て、ぢりりと痛みを与えた。