第31章 『S系女子の秘め事』 日向翔陽 R18
side日向
多分今時の女の子が聞いているような音楽が夏乃ちゃんのスマホから流れ出す。
横に寝ていた夏乃ちゃんがもぞもぞと動き、スマホを手に取り操作し始めた。
「おはよ、夏乃ちゃん。」
びくり、と体をびくつかせおれを見る夏乃ちゃん。
「おはよ…」
昨日の行為を思い出したのか、困った真っ赤な顔でおれを見る夏乃ちゃん。
「気持ちよかった?」
そう問いかけた途端夏乃ちゃんはもぞもぞと布団に潜り込んでいく。
そんなにおれと顔合わせたくないんだ。
どうやって布団から出そうかな、と考えていれば、布団から小さな声が聞こえる。
頑張って聞き取ろうとしても全く聞き取れない。
「何?夏乃ちゃん聞こえない。」
「あーもう!」
ばさり!と捲り上がる布団。
ずしりと太ももに加わる重さ。
「気持ちよかったって言ってんの!」
きっとつり上がった瞳。
可愛こぶらない口調。
やっぱりこっちの方が可愛い。
膝に乗った夏乃ちゃんの腕と腰を引き寄せ、そのままマットレスに倒れ込めば、バランスを崩した夏乃ちゃんが、おれの上に倒れこんだ。
「ねえ夏乃ちゃん、おれの彼女になって?」
にまり、と笑いながら問えば戸惑い顔の夏乃ちゃん。
否定の言葉を吐きそうになっている夏乃ちゃんに、おれはトドメの一言を投げつけた。
「おれのハジメテ奪った責任、とってよ。」
そういえばきっと、夏乃ちゃんはNOなんて答えられない。
だってその証拠に、金魚みたいに真っ赤な顔で口をぱくぱくしてる。
「…っしょうがないわね!」
投げやりに返事をし、おれの上から降りようとした夏乃ちゃんをぎゅっと抱きしめると、朝だからか立ち上がった股間のソレを夏乃ちゃんのお尻にすりりと当てた。
「翔ちゃん⁈」
「うん、朝だからおれ、勃っちゃった。」
少しだけ体を起こし浮かせているお尻を撫でれば、小さく跳ねる体。
「ね、シよ?」
昨日とは立場は逆転。
襲われる側から襲う側に。
おれさ、バレーみたいに好きなものはガーッと突き詰めるタイプみたいなんだ。
だからさ、バレーと同じくらいおれの事ワクワクさせてよ。
やっと、君が、手に入ったんだから。
end…?