第31章 『S系女子の秘め事』 日向翔陽 R18
「翔ちゃん…?」
「ん、なに?夏乃ちゃん。」
至極楽しそうな翔ちゃんの顔が憎らしい。
「ヤりすぎ!昨日の夜から何回したと思ってるの⁈」
そう怒鳴れば翔ちゃんはご丁寧に回数を数えだす。
「えーっと…6回?」
そう、6回。
それは使ったコンドームの数。
そして翔ちゃんがイった数。
わたしはそれの倍…いや、それ以上にイかされた。
今回が初めてとか嘘でしょう…
「翔ちゃんはね?」
ヤりすぎて体が動かないなんて初めてよ!
「お腹すいた、お風呂入りたい。」
だけど、体が動かない。
腰がいたーい、体がいたーいなんて呻いていれば、急に持ち上がる体。
翔ちゃんはわたしを抱えたまま教えていないはずのお風呂に向かっている。
「お湯貯めてるからおふろはいろっか?」
戸惑い顔で翔ちゃんに抱えられ、向かったお風呂。
あったかいお湯が張ってあり、髪と体をささっと洗ってもらい浸かる。
体と髪を洗った翔ちゃんも湯船に入れば溢れるお湯。
「ご飯、パンと目玉焼きとかでいい?」
おれ、簡単なのしか作れないんだよね。と翔ちゃんは言う。
でも冷蔵庫は空っぽ。
それを言えば翔ちゃんは普通に答えた。
「昨日、夏乃ちゃんが寝ちゃった後地図見ながら買いに行って来たよ?
おれん家の方が冷蔵庫の中身あるし!」
普段なに食ってんの?と聞かれ、素直に外食と答えると、もにっと掴まれるお腹。
「ちょっ!翔ちゃん‼︎」
「それなのにこんななの?夏乃ちゃん食べなさすぎ!」
簡単なのだったらおれが家に来るときに作る、そう押し切られて合鍵を渡す約束をしてしまった。
あーあ、彼氏なんか作るつもりじゃなかったのに。
可愛い童貞くん捕まえる予定が厄介なのに捕まっちゃったなぁ。
「夏乃ちゃん大好き。」
後ろからぎゅっと抱きつかれ、まあ、たまにはこんなのもいいか…、とため息をつきながらわたしはゆるゆるに緩んだ翔ちゃんの頬を両手でびよーんと引っ張ったのだった。
end