第31章 『S系女子の秘め事』 日向翔陽 R18
覆いかぶさるようにわたしを捕まえ、ゆっくり頬を、撫でる。
目が合って心臓がどきりとなったと同時、翔ちゃんの目線が外れ鷲掴まれる胸。
片方を唇で食まれ、もう片方を指先で捏ねられる。
絶妙な触り心地に小さく声を上げると、翔ちゃんが頭を上げた。
「夏乃ちゃん、気持ちいい?」
わたしがさっき聞いたのと、同じ。
気づいてしまった
真似をされていることに
「我慢しなくていいからね?」
それもさっきわたしが言った言葉。
自分の言動を
自分の行動を
模倣されていることに
なんとも言えない感情が渦巻いた。
「指入れるね?」
その言葉とともに押し入る指。
翔ちゃんはすぐにわたしの良いトコロを見つけ出す。
「さっき、ココ、おれのに擦り付けてたでしょ?」
指先でわたしのGスポットをぐりぐりと擦る。
疼くような火照りが身体を包み思わずぎゅっと締め付ける。
「やっぱりココ気持ちいいんだ。」
胸の中心に吸い付き先を転がしながら、Gスポットを搔くように何度も指先で撫でる。
出したくもない甘い声が喉から溢れて止まらない。
「っ…翔ちゃ…だめ…」
「ねえ、夏乃ちゃん、気持ちいい?」
ぐちゃぐちゃと粘液が指に絡まる音。
いつの間にか増えた指が良いところを撫でる。
言ってやるもんか。
手の甲を噛み声を殺せばそれに気づいた翔ちゃんはゆっくり指を引き抜く。
「ゴム、これの中?」
翔ちゃんはわたしの鞄からポーチを引き抜き勝手に開け出す。
コスメポーチの中の小さなポケット。
数枚綴りのソレを取り出しベッドに放った翔ちゃんは一度使ったコンドームを自らの陰茎から取り、新たに別のものを付け直す。
「今度はおれが買ってくるから使ってもいいでしょう?これ。」
乾いた唇をぺろ、と舐めにまりと笑う翔ちゃん。
「…や。」
かろうじて出したのは否定の言葉。
翔ちゃんの豹変ぶりにただただ驚き、言葉を出すことができない。
そんな状態でも刻々と状況は動いていた。