第31章 『S系女子の秘め事』 日向翔陽 R18
連れて行ったのはチーズタッカルビが食べれる、食べ放題飲み放題のお店。
食べ放題のメニューから何品か選び、来たものから順に取り分けて食べていく。
あえて選んだ個室に最初は戸惑っていた翔ちゃんも、料理が来ればもうそちらに夢中。
食べてにこにこ、バレーの話でにこにこ。
そんな話をカクテルをちびちび飲みながら相槌を打つ。
聞き流しているから頭になんか入ってこない。
お店に入ってから2時間半。
スイーツも食べた。
そろそろ頃合いか。
「ねえ?翔ちゃん?」
とんと肘をテーブルに置いて頬に手を当てる。
もう片方の腕はアンダーバスト。
胸を寄せて
上目遣いで
ロックオン
「酔っちゃった。家まで送ってほしいな?」
あざとく首を傾げおねだりポーズ。
免疫がないのか、翔ちゃんはまた顔を真っ赤にしてきょろきょろとそっぽを向く。
逃がさないわよ。
机に置かれた手にそっと触れ、その手を私の頬に持ってくる。
「ね…?」
「………ん。」
大きな間の後の小さな声。
それは了承を示していて、『お持ち帰り』されることをわかっているのかいないのか、翔ちゃんはまっかな顔で帰宅のために荷物をまとめている。
私も鞄にスマホを放り込み、ゆっくり立ち上がる。
それを見た翔ちゃん、ふらつきそうな私の体を支える。
「ありがと、翔ちゃん。」
罠に
掛かってくれて。
ありがと、翔ちゃん。