第29章 『教室の秘め事〜0818〜』 灰羽リエーフ R18
「夏乃さんっ!」
ガラリと開けた化学室。
びくりと体を揺らし、俺を見た夏乃さんは慌ててドアを閉めるように俺に言う。
「灰羽くん!あれほど名前で呼んじゃダメって…」
「だって廊下誰もいないですよ?椎名センセイ?」
「だからって、誰が見てるかわからないから…ね?」
俺が入ってきたドアをばたりと閉め、化学室の中にある小さな冷蔵庫に向かって歩く夏乃さん。
そこからペットボトルのお茶を取り出すと、俺の方へと近づいてお茶を渡す。
「どうぞ?ご飯ここで食べていくんでしょ?」
俺はお茶を受け取るとお礼を言い夏乃さんが作業をしていた教卓に椅子を持ってきて座る。
そろそろ俺が来る時間だということを見越していたらしく、教卓の上はパソコンが置かれているだけ。
そのパソコンも、ぱたりと閉じると近くにあった予備の机の上に移動。
それを確認し俺は持ってきた弁当を教卓の上に広げ始めた。