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夜の少年達【HQ】

第3章 『宵闇の桜』赤葦 京治 R18



いつもと違う帰り道。

上を見上げると蕾の桜。

開花宣言はニュースで聞いた。

もう少しで満開かなー?

ほろ酔い気分で歩いていると、ふいに目の端に薄桃色が映った気がしたから立ち止まった。

神社…かな?
鳥居をくぐり、石段を登る。

そこには満開の桜があった。

照る月の元に咲く満開の桜。


『綺麗…』

呟くように言葉を発すると

かたり

と音がした。

そちらを向くと漆黒の髪の男の子が境内で体を起こした。

白地に緑と金のラインのジャージ。

高校生?

部活のジャージかな?

なんて考えていたらよく通る声で話しかけてきた。

「お姉さんも…桜……見に来たんですか?」

思ったよりも低い声。

切れ長の瞳

少しふわりとした髪の毛



『かっこいー…』



くすり…

「口に出てますよ?今のかっこいーってやつ」

『うそっ!ごめん!私酔ってて!』


その少年は口元に笑みを浮かべながら言った。


「少し話しませんか?」

って。


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