• テキストサイズ

夜の少年達【HQ】

第27章 『貴方だけしか見えません。』月島明光 R18




「卒業おめでとう。」

優しい声が上から降ってくる。
ぐずぐずと泣きながら顔を上げれば優しく笑う明光さん。

『な…で…?』

「俺が祝いたかったから。…まあ、蛍がいるから最悪保護者として紛れられるし…」

間に合ってよかった…


そう呟いた声でピンと来た。
さっきの蛍くんのつぶやきはこれのことか。

そんなことを思いながら明光さんに抱きついていると、明光さんが私から離れた。

「夏乃さんのご卒業おめでとうございます。」

深くお辞儀をした先には私のおばあちゃん。

「やっと肩の荷が下りたよ。」

少しほっとしたように笑うおばあちゃん。
そんなおばあちゃんにふ、と真剣な顔をした明光さんが私の肩を引き寄せ、言った。

「本日、夏乃さんをお預かりしてもよろしいですか?」

「ああ、行ってらっしゃい。卒業したから門限なんてないからね?」


そう笑いながらウインクをしたおばあちゃんは、なんだか一回り小さく見えて、止まったはずの涙がぽろり、こぼれた。




/ 395ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp