第27章 『貴方だけしか見えません。』月島明光 R18
式が始まった。
在校生の時も思ったけれど卒業生として経験しても式は長く感じる。
まあ、在校生よりはやることがあるからまだマシか。
なんて思っといればいつのまにか証書授与になる。
1組、2組と順番に代表の生徒に卒業証書が渡される。
3組ときて次は4組。
4組の代表は谷地ちゃん。
1月までバレー部のマネージャーをやりながらしっかり自分の進路を決めた谷地ちゃん。
代表にぴったりだと誰もが谷地ちゃんを推したらしい。
谷地ちゃんは緊張した面持ちで登壇し、卒業証書を受け取った。
次は5組。
私はクラスのみんなと起立する。
代表は蛍くん。
蛍くんはバレー部の部長をしながら東京の大学に合格しちゃうくらいすごいからって無理矢理代表にされてた。
そうそう。
蛍くんとは去年、今年と同じクラスだったんだけど、明光さん絡みで仲良くなった。
高校3年間で出来た数少ない友達。
そんな蛍くんが卒業証書を受け取る姿を見ながら私はみんなと一緒に一礼した。