第26章 『貴方のことしか見えません。』 月島明光 R15
『ひゃっ!』
ねろりと生暖かいものが首筋に触れる。
何かわからないままでいると私の背中で明光さんがくすりと笑う。
「声可愛い。もっと聞かせて?」
耳にそう吹き込まれた後、耳を先ほどのねろりとした感触が伝う。
『っ…』
得体の知れない感触に体を硬くすれば、私の体はぽすりと布団に倒れこんだ。
何…これ……
私の上にいる明光さん。
お酒に酔っているからかいつもと違う。
『夏乃……』
違う
『好きだよ…』
私の乱れた髪の毛をそっと撫でると、明光さんは私の顔にそっとキスを落とす。
おでこ、目尻、頬
そして唇。
ちゅっちゅっと唇に吸いついたかと思ったらするりと唇の隙間から入り込んでくる舌。
口の中に広がるお酒の味に思わず口を閉じてしまいそうになるけれど、それより前に私の舌を刺激されいつものように絡めてしまう。
それに気を良くしたのかさらに深く唇を合わせる明光さん。
頭がふわふわして何も考えられなくなっていく。
ベッドに投げ出した右手に明光さんの手が絡む。
ぎゅっと握ると明光さんは唇を離して笑った。
明光さんはちゅっちゅっと音を立てながら顔や顎、首に口付ける。
『あき…てる…さん…』
名前を呼べば返事とばかりに唇が触れる。
嬉しくて心がほかほかした。