第26章 『貴方のことしか見えません。』 月島明光 R15
明光さんの誕生日を控えた金曜日。
いつもは迎えに来てくれる明光さんから、今日のお迎えは無理との連絡が来た。
”飲み会、断れなかった。
明日、休みだよね?
迎えに行けない分明日は一緒に過ごそう。
家に迎えに行くね。”
嬉しかった。
明日は1日明光さんと一緒だ。
嬉しくて時間が進むのが早くて、あっという間にバイトが終わった。
明光さんの誕生日プレゼント、迷いそうだな。
そう思い、バイト帰りに誕生日のプレゼントの下見をするために駅前のビルに寄る。
卒業、入学のシーズンだからか、迷いそうだと思ったプレゼントはすぐに決まった。
しかし、ケーキの材料を探すのに手間取ってしまい、気づいた頃には終電間際。
急いで買い物をし、ビルを出て駅に走ろうとした時、目の端に見覚えのある色素の薄い髪の毛を見たような気がして足を止めた。