第23章 『五月雨の夜。』嶋田誠 R18
side嶋田
前から好きだった子に告白された。
でもさ、その子、俺より8つも年下なの。
俺なんかを選ぶより、きっと同い年くらいのヤツを選んだ方が幸せになれる。
そう思ったから俺は、無理をして、笑った。
ぽたり
濡れた髪の毛からの雫ではない。
夏乃ちゃんの頬を伝った雫が俺の手に落ちた。
「夏乃ちゃ…『子供扱いしないでっ!』
潤んだ瞳で、強く、強く夏乃ちゃんが叫んだ。
『私もう子供じゃないっ!』
そんなことわかってるよ。
数ヶ月ぶりに見た制服じゃない夏乃ちゃんは本当に可愛くて、パートさんがいなかったら危うく抱きしめてしまいそうになるほど可愛かった。
雨に濡れて透けた下着や素肌に欲情した。
そんな気持ちを押し殺してタオルを掛け、俺のシャツを渡した。
片付けに戻った俺がシャツを着てなかったのを見てパートさんが、「あんなに可愛い女の子の下着が透けてたら目の毒よねー」なんてからかってきて、あからさまに動揺してしまった。
それを見たパートさんは変な気をまわしてさっさと帰るし…
真剣な目で俺を見る夏乃ちゃん。
今にも瞳からこぼれ落ちそうな涙。
俺が拭ってあげてもいいのか?
俺が…その涙、止めてもいいのか?