第21章 『 ホントの私を見てください。 』月島 明光
「月島蛍の兄です!」
この声…!
がばり、顔を上げると怪しいお兄さんはサングラス、マスク、帽子を外していた。
いつものスーツ姿ではない。
ラフな私服だけれど、見間違えることはない。
明光さんだ。
会えた。
そう思う気持ちとは裏腹にどうしてここに…そんな気持ちが浮かぶ。
今の私は思いっきり高校生。
バイトの時みたいに私服じゃない。
髪の毛のまとめ方も違う。
高校生である私を見られたくない。
こんな私を見て欲しくない。
気づかないでほしい。
そう願いながら時間は少しずつ進んでいった。