第19章 『あま☆よわ★ハロウィン。』 山口忠
『じゃあ、いたずらしちゃうんだから。』
困った顔のただし。
でもそんな顔も可愛い。
私は困った顔のただしの手を取りグイグイ引っ張っていき、適当な教室を見つけ、入る。
当然中は誰もいない。
「えっ!ちょっ!夏乃ちゃん⁈」
私はただしを椅子に座らせる。
『黙って?』
ただしの目を覗き込むと、不安そうな瞳が右に逸れる。
もう…そろそろ慣れてほしいな…
私は、ただしのそばかすにそっと唇を落とした。
1つ、2つ、3つ。
ねえ、ただし。
何も言わなかったら私、もっといたずらしちゃうよ?
鼻先に唇を当てるとぴくりと跳ねるただしの体。
私だけの甘い甘いお菓子。
『ただし、いただきます。』
私はそっとただしの唇に自分のものを重ねた。