第19章 『あま☆よわ★ハロウィン。』 山口忠
side山口
『トリックオアトリート!』
そう言って小さい塊が僕のお腹にくっついた。
「ちょっ!夏乃ちゃん⁈」
『ねえただし、トリックオアトリート!』
俺の彼女の夏乃ちゃん。
ちっちゃくていつもぴょんぴょんしてるすげーかわいい子。
あれ?今日は、10月31日。
だからはしゃいでいるのか。
「もしかして…今日って…ハロウィン?」
『そうだよ?お菓子くれないとイタズラしちゃうぞ?』
可愛く微笑む夏乃ちゃん。
何かないかなとポケットを探るがこんな時に限って何もない…
「ごめんね?夏乃ちゃん…今、何もないや…
昼休みだし坂ノ下でお菓子買ってくるよ?」
そう、俺が言えば夏乃ちゃんはぷううと頬を膨らませ俺をじっと見つめた。