第15章 『無口少年は何を思う。』 福永招平
え?
え?
『福永が私のことを好き⁈』
こくこくと福永が縦に首を振る。
話が急展開すぎてついていけない。
パニックになっている間に福永は私に急接近していた。
そして、ずいっと顔を近づける。
「……夏乃先輩…は?」
『わ…たしっ…』
近いっ!近いっ!
気を抜いたら唇が触れてしまいそうだ。
ドキドキする。
このドキドキは”びっくり”のドキドキ
”好き”のドキドキ?
わからない。
それでも顔は赤くなる。
『福永っ…近い…』
「夏乃…先輩…」
こつり
おでこがくっつく。
ぎゅっと目をつむれば、ふっと笑う声。
え?と思った頃には唇に温かいものが重なっていた。