• テキストサイズ

夜の少年達【HQ】

第15章 『無口少年は何を思う。』 福永招平




うそ…


『きす…』

「した。」

うそ、うそっ!

ふくながっ!

全然イメージと違う!
何このギャップ!

「すき」

「先輩すき」

福永は何度もなんどもつぶやきながら私の頬にちゅっちゅっと音を立てながら口付ける。

『やっ…待って?ふくなが…』

「待たない。」

そう言うと福永は私の耳にかぷりと噛み付く。

『ふくっ…ながぁ…』


びくりと震える身体。
必死で福永の肩を押すと福永は渋々身体を離した。

『福永…がっつきすぎだって…』

そう私が言えば、福永はしゅんとした顔になる。





さっきまでの男らしく色っぽい”攻め”の顔。

今のしゅんとした可愛い”弟”のような顔。


ギャップ…っていうのかな。

さっきまでただの後輩だった福永。
でもこの一瞬で気になる存在になってしまった。


狙ってやったのか、それとも天然か私にはわからない。


でも、しゅんとなりながら私の答えを待っている福永にちゃんと気持ちを伝えなきゃ。

そう思い私は口を開いた。



『福永…告白してくれて嬉しい。

でも私、まだ全然福永のこと知らないの。
だから…お試し…で付き合ってみるって…どう?って福永⁈』


ちょっと!話の途中で抱きしめないで!


抗議を言おうとするけれど、ぎゅっと抱きしめられる力が気持ちよくてこてんと頭を肩にもたれさせる。

「先輩…キス…いい?」

福永が耳元で呟いた言葉。

後輩にリードなんてさせてやらない。




私は頭を上げると、少しだけ背伸びをし、ちょっと困った後輩の唇を自ら塞いだ。



end
/ 395ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp