第12章 『木曜日の君。』 赤葦京治
その後も私は木曜日になると図書館に通いつめた。
普通に本を借りておわりのときもあれば、たまに膝枕のお願いをされることもあった。
貸し出しカードに貼られるポストイットが私達の合図。
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昨日も寝れてなくて…
そう言って赤葦さんは私の太腿に頭を乗せるとすぐに寝息を立て始める。
眠る横顔を見ながらいつも思う。
私、赤葦さんのこと…すき。
でも私はただの枕なんだろうな。
赤葦さんはどうして私…だったんだろう。
ちょうどパスケースを落としたから?
もしかして…誰でもよかったのかな。
期待と不安が入り混じりはあと息を吐き出すと赤葦さんはん…と寝言を吐きもぞり、と体を動かした。