第11章 『俺の年上カノジョ。』灰羽リエーフ R18
俺たちはまっすぐ夏乃さんのマンションに向かった。
部屋に入ったところで俺は後ろからぎゅっと夏乃さんを抱きしめた。
『リエーフ?』
「会いたかった…です。」
肩に顔を埋めればくしゃりと髪の毛を撫でられる。
『私も会いたかったよ?お腹すいたでしょ?ご飯作ってあげる。』
嫌だ
嫌だ
離れたくない。
離したくない。
「…嫌だ…」
『ワガママ言わないの。ね?』
しぶしぶ腕の力を緩めると、夏乃さんは俺の方を向く。
そして頬にそっとキスを落とされた。
『すぐにご飯作るから…待ってて?』
「…….…はい。」
ささっと部屋の奥に行ってしまった夏乃さんを見ながら、俺は背負っていたエナメルバッグを下ろす。
「夏乃さん、トイレ、借りますね?」
『うん。いいよ?』
トイレに入り、ポケットに突っ込んだ財布を開ける。
昨日期待して入れた3枚綴りの避妊具。
どれだけ期待してるんだか。
はあとため息をついて俺はそれをジャージのポケットにしまい込んだ。