第11章 『俺の年上カノジョ。』灰羽リエーフ R18
俺の彼女の夏乃さんは俺より8つも年上。
アリサのバイト先の先輩で、バイト先に遊びに行った時に初めて会った。
それからずっと好きだ。
一目惚れってやつ。
去年、夏乃さんがバイトを辞めるってなった時、いてもたってもいられなくて告った。
『リエーフが高校に合格したらね?』
一生懸命勉強して、合格通知とともに再度告白したら返事はOK。
春休み中にちょこちょこ会ってはいたけど4月になってからは俺は学校、夏乃さんは仕事が忙しくなって全く会えないまま1ヶ月。
”明後日休みだけど、明日の夜、うちに泊まりに来ない?”
そんなメッセージが来たのは昨日の夜。
嬉しすぎて大声出して母さんに怒られたり、指が震えメッセージを打つのにものすごく時間かかったりした。
そんなこんなで今日は久しぶりのデートってわけ。
『ごめんね?あまり連絡できなくて。会社入ったばっかりで忙しくて。』
運転しながらそう話す夏乃さん。
「別に…仕事ですもん…」
キッ
信号で止まった時、膝に置いた手に温かな手が乗る。
そしてぽそり、夏乃さんが呟いた。
『リエーフは私に会いたかった?』
ずるい。
会いたくて会いたくて仕方がなかった。
だけど俺の都合で電話したり会いに行ったりしたらメーワクだって思って我慢してたのに…
「会いたかったに決まってるじゃないですか…」
そう言えば余裕そうな声で、そう。と呟く。
俺ばっかり
俺ばっかり余裕がないみたいだ。
会いたいし、話したいし、チューだってしたい。
できるんだったらもっと先も。
でもがっついてるみたい。
嫌われんのは嫌だ。
でもいっぱい引っ付いてたい。
久しぶりに会えたのに、もやもやする。