第2章 昔と変わらない桜の木
―トド松
「おーい、トド松ー!」
「ん、何?おそ松兄さん」
「すまん!ちょっとおつかい頼まれてくんね?」
「…えぇ~」
「頼む!」
「イヤだよ面倒くさい!」
「分かった!お金は俺が出すから!」
「えー…ってそれ当たり前だよね!?」
「俺お兄ちゃん。おまえ末っ子。」
「もうおそ松兄さん自分で行きなよ~!」
「…分かった。これで手を打とう。最近彼氏募集中の女の子の連絡先もらったからそれをおまえに譲る!」
『いらっしゃいませー』
「…えっと」
雑誌コーナーに足を運び、おそ松兄さんに頼まれた競馬の週刊誌を探す。
「あれ、雑誌名なんだっけな…」
おそ松兄さんが言っていた名前を思い出そうと、
とりあえず馬が写ってそうな雑誌を探していると
自分のお腹の前に女の子の手が伸びた。
「あ、スミマセン。」
邪魔にならないように一歩後ろに下がってから、ついでに可愛い子じゃないか確認しようと女の子の顔をチラ見。
「あっ、ごめんなさい大丈夫です!」
と顔を上げた女の子の顔はとても見慣れていたものだった。
「「あっ」」
「はるるん!?」
「トッティ!?トッティだ!わぁ久しぶりー!!」
「あれ、いつのまに帰ってきてたの!?」
「今日だよ!ホントについさっき、アハハ!」
「あ、そうなんだ…」
ん?
「あれ?トッティ若干身長伸びた?」
「え、ホント?」
「うわぁ、ついに負けたかー!」
「え!?僕今まではるるんに負けたことないから!短期間だけ同じ身長の時があっただけっ」
「やっぱり男の子なんだなー、なんか悔しいな!」
なんか、さくらちゃん可愛くなってない…?
心臓のあたりがうずくような違和感にムズムズする。
「あ、そうだ。私お母さんに買い物頼まれてたんだった。」
「そういえば僕もおそ松兄さんに頼まれてたんだった。」
「おそ松くん…!元気にしてる?」
「うん、相変わらずだよ。」
「なんかトッティに会ったら皆に会いたくなってきちゃったなぁ」
さくらちゃん、昔と変わってないようで何か変わったなぁ…
顔?雰囲気かな?
「そんなの家近いんだからいつでも会いに来なよ!」
「え、いいの?」
「当たり前じゃん♪」
「行く!」
「いつでも連絡してね、待ってるから!」
なんだろう?この感じ…