第3章 移り変わりゆくもの
「んー、女の子らしくカルーアミルクでも飲もうかなぁ」
「さくらちゃん、あんまり飲みすぎちゃダメだよ?」
「大丈夫!まだ酔ってないから!」
「ぷっ、顔真っ赤だけど…」
「えっ、嘘!もう?」
「うん。僕も結構顔ほてってきたけど、さくらちゃんの方がほてってるんじゃない?」
ピトッ
トド松くんの手が私の頬にそっと添えられる。
トド松くんの手が冷たいのか私の顔が熱いのかわからないけれど、トド松くんの手はすこし冷えていて一瞬肩がビクリと震える。
「ほら、やっぱりめちゃくちゃほてってる!」
「あっ、ホントそしょそんなに?」
平静を装うとする心とは裏腹に言葉は早口になり地味に噛む。
恥ずか死にたい。
ブーッ ブーッ
「ん?」
「ッ!」
この後の空気どうしようと一瞬プチパニックを起こす私を助けるかのようにトド松くんのスマホが着信音を鳴らした。
「チッ、おそ松兄さんからだ…
ごめんっ、さくらちゃん!ちょっと一瞬席外すね!」
「ど、どうぞどうぞ!!」
カーテンの向こうで、何おそ松兄さん?僕今出かけてるんだけどと不満そうに電話を出るトド松くんの声が徐々に遠ざかっていく。
「……」
ビッ……
クリしたぁぁぁぁ!!///
あああ私ボディタッチに免疫無さすぎる…!
ほっぺた触られた程度でこんなに意識したら絶対気持ち悪いって思われるドン引きされるー!!
どうしよう、バレてないかな…バレてたら羞恥心で死ねる…
「トド松くん意外としつこくイジってくるタイプだからなぁ…」
「何が?」
「ッひゃあ!?」
「ブフッ!何その声!」
「かっ帰ってくるの早いね!おそ松兄さんどうかしたの?」
「あぁ、帰ってこいってうるさくてさぁ」
「えっ!じゃあそろそろ帰る?私結構飲んだし全然大丈夫だよ!」
ナイース!おそ松くんナイーース!!
とりあえず今日はもう逃げたい気分。
「え…本当に良いの?」
「うん!今日はトド松くんといっぱい話せたし満足!」
「ごめんねおそ松兄さんのワガママに付き合わせて…」
「ううん!大丈夫だよ!」
「無理しなくていいからね?」
「へ?うん?」
どういう意味だろう?