第2章 1.00 “瑠璃華” Part.1
「まったく柊子さんは…。それじゃ、オレはもう帰るよ。くれぐれも土師の機嫌損ねないでね。オレまでとばっちり受けるのは嫌だからな。」
そう言って、去っていこうとする“かっこう”に柊子は声をかけた。
「あ、“かっこう”さん!明日から、さんも“かっこう”さんと一緒に桜架高校に通うので、お願いしますねぇ。」
それを聞いた“かっこう”は顔をしかめた。
「…それは俺1人じゃ不安ってことか?」
今までは少し柔らかい口調だったのが一変、声音が低くなった。
それに柊子は焦ったのか、「いえ!そうではなくてですね!!土師センパイ曰く、さんはいくらわんこさんのお弟子さんとは言っても、まだ虫憑きとしても未熟なので…。一番信用の足“かっこう”さんと一緒に居させたいそうです。」と弁解した。
“かっこう”はそれ以上言おうとせず、「…分かった。」と一言言い残すと、そのまま去っていった。
「…なによ、あれ…。」
そうがこぼすと、「あぁ見えても、いい人なんですけど…。」と柊子は呟いた。
「…じゃぁ、早いうちに土師センパイのところへ行きましょうかねぇ。さっき“かっこう”さんに話したこと、さんにも詳しくお話ししないといけませんので。」
そう言って、柊子は歩き出した。