第2章 1.00 “瑠璃華” Part.1
は柊子に連れられ、東中央支部の中を歩いていた。
その間に何度か黒いロングコートに顔の大半を隠してしまうほど大きな黒いゴーグルを着けた人とすれ違うと、柊子は「ご苦労様でぇす。」と、声をかけていた。柊子の様子から、特環の局員なのだろう。
しばらくすると、またもう1人たちとは反対側から歩いてきて来た。
ゴーグルで顔は分からないが、おそらくはと近しい年だろう。
「“かっこう”さん!!任務、お疲れさまでした!」
すると、柊子がいきなり大声を出した。
「…ありがとう柊子さん。…そこにいるのがわんこが育てたって言う新入り?」
“かっこう”と呼ばれた少年は、柊子の反応を鬱陶しがり、その後を見てそう発した。
「いえいえ!えぇっと、こちらの方が本日付で東中央支部配属になった、“瑠璃華”さんこと、さんです。」
は柊子が説明すると同時に頭を下げた。
「よろしくな、“瑠璃華”。…そういえばさっき土師のところに行ってきたが、柊子さんがなかなか帰ってこないってボヤいてたよ。早く行かないとめんどくさくなるよ。」
それを聞いた柊子は顔色も変えず「あはは、土師センパイ怒ると怖いですからねぇ。」と、笑っていた。