第14章 10月23日*伊月*
蓋を開けると、鶏の唐揚げにポテトサラダ、ひじきの煮物に玉子焼き。
「全部が作った?」
「…ひじきは昨日の夜ご飯のおかず。」
見栄張らずに正直に言ってしまうところもまた好きなんだけどね。
同じ中身のお弁当を壁にもたれながら並んで食べる。
まずはポテトサラダ。
「うん、うまい。」
「本当?良かったぁ!ぽてっとしたジャガイモが入ったサラダでしょ?」
「…!今のやつ、いただき!」
「どうぞ、どうぞ。」
クスクス笑っているを横目にネタ帳に書き込む。
続いての唐揚げもほどよく胡椒が効いていて美味しい。
「カラッと揚げられた唐揚げじゃない?」
「おっ!今日は冴えてるな!それもいただき!」
ネタ帳にダジャレを書き込みながら、ふと気付く。
長年一緒にいるけど、ここまでダジャレを連発するは初めてだった。
「…もしかしてダジャレ考えてきてくれた?」