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黒子のバスケ*Short Stories2

第14章 10月23日*伊月*


10月23日。

待ち合わせ場所にはいつも通りのの姿。

俺の姿を見つけると、嬉しそうに笑って駆け寄ってきてくれた。

「俊くんおはよう。お誕生日おめでとう!」

「ありがとう。…毎年だけど、やっぱり嬉しいな。」

隣に並んで、寄り添って、柔らかく微笑んでくれる。

そんな彼女が側にいてくれることは、もう当たり前のようだけど幸せなことなんだな、と改めて感じた。

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昼休みになり、今日も屋上で待ち合わせ。

お昼は買い弁だから、いつも通りに声をかける。

「購買行ってくるけど、なんかいる?」

すると壁に持たれたぺたりと座っている彼女は学ランの裾を引っ張って、座るように促してきた。

「俊くん…今日はお昼ご飯買いに行く必要ないよ。」

「え?」

「お弁当…作ってきたの。」

紙袋からそっとお弁当箱を取り出して、俺に差し出した。

予想外の展開は、誕生日で少し浮き足立っていた気持ちをより高ぶらせた。

「がお弁当作ってくれるの初めてじゃない?お菓子は何回かもらったけど。」

「今日俊くん誕生日だし…彼女らしいことしようかな、って。」

は自信がないのか俯き気味でぽそりと溢した。

やばい。また掴まれた。

「うわー…すごい嬉しい…。」

照れくさくて我慢してた気持ちが溢れて言葉に変わっていた。

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