第12章 腹黒紳士と私*今吉*
苦行のような2時間が終わり、私は意気消沈と言わんばかりにぐったりしていた。
「ゾンビ出てくる度にびくびくしてる、おもろかったわ。」
私がこうなること分かってたくせに。
人を小馬鹿にするような笑い方で、私のことを嘲笑う翔一に苛立ちを感じた。
でも、こんなことで終わる人じゃない。
「これからどうする?」
とりあえず気を取り直して、隣に並んで歩く翔一に尋ねてみた。
「んー…そやなぁ。…あ、そういえば。」
「何?」
「からキスされたことなかったわ。今ここでキスしてくれへん?」
私たちは当然今道の真ん中にいる。
「は!?無理無理無理!!」