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黒子のバスケ*Short Stories2

第9章 ボーイズトーク*赤司*紫原*氷室


<紫原>

「すまないね。」

赤司が再び体育館の中へと戻ってきた。

「あ、赤ちん戻ってきたー。」

「彼女はどうしたんだい?」

「ああ。桃井のところに行ったよ。」

視線を桃井と彼女の方へ移し、少し柔らかく口許を緩めた。

すると、紫原はあ、と口をぽかんと開けてがっくりした。

「ねー、室ちんお菓子なくなっちった。」

「Really? アツシ、ペースを考えろっていつも言ってるだろ?」

氷室は見慣れた状況に、一つ溜め息をついた。

「えー。もう食べちゃったしー。買いに行く時間ないよね?」

「敦。抜け出したらどうなるか分かっているな?」

「うぅ…。…あっ!ちん!」

赤司に責められ落ち込んでいた紫原だったが、笑顔で手を振りながら出入り口に立っている彼女を見つけてぱっと笑顔になった。

おいでおいでと手招きすると、彼女は他のメンバーに会釈をしながらゆっくりと紫原の元へ向かってきた。

「あっくん来たよ!あ、氷室先輩こんにちは。」

「Hi. 東京で会えるなんて新鮮だね。」

「ちん、話してた赤ちんだよ。」

紫原が赤司を紹介すると、は赤司に少し緊張した面持ちで挨拶をした。

「赤司くん…ですよね?初めまして。あっくんがいつも赤ちんって言うからわからなくなっちゃうんです…。」

「初めまして。敦の彼女かい?」

「はい。」

硬かった表情が和らぎ、穏やかな笑みを浮かべては頷いた。

「俺ちょっとちんとあっちでお喋りしてくるねー。」

紫原はの手を引き、体育館の隅の方へ移動した。

二人の後ろ姿を見つめながら、赤司は氷室に尋ねた。

「辰也、彼女はどんな繋がりなんだ?」

「アツシのクラスメイトだよ。彼女はバレーのスポーツ特待生で、陽泉に来たらしい。元々は東京にいて、今回一緒に帰省してきたんだ。俺もアツシを通じて話したことはあるから面識があるんだ。」
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