第9章 ボーイズトーク*赤司*紫原*氷室
「…セイ。次の試合まではまだ時間はあるよ?」
「そうだな。少しと外に出るよ。頃合いを見て戻る。」
赤司は氷室の気遣いに笑みを浮かべ、の手を取りゆっくりと出入り口に向かった。
「アツシはさんとは面識があるのか?」
「うん。ちん、中学の時のマネージャーなんだー。ちんがずっと赤ちんのこと好きで付き合い始めたんだけど、赤ちんもちんにはいつも優しかったし、大事にしてるみたい。今はみどちんと同じ学校通ってるよ。」
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ロビーで二人は並んで腰掛けて、久しぶりの時間を楽しんでいた。
「皆と会うの久しぶりだよね?」
「そうだな。皆少しずつ変わっていて面白いよ。」
「征ちゃん何だか嬉しそう。」
の言葉に赤司は少し驚いた様子を見せた。
自分でも気付いていなかった表情の変化をは見抜いていた。
「色々あったが、やはり大事な仲間だからな。…こうして、また集まれるようになったのは喜ばしい。」
赤司が自然と浮かべた笑みがとても柔らかくの心を暖かくした。
「…良かった。征ちゃんがまた優しく笑ってくれるようになって。」
「京都に行って、一度離れて良かったのかもしれないな。」
「うん…。私はちょっと寂しいんだけどね。」
少ししゅんとして項垂れるを見て、赤司はクスリと悪戯っぽく笑った。
「真太郎がいるだろう。」
「そうだけど!私が側にいてほしいのは征ちゃん!」
あまりにも真っ直ぐに素直に自分を必要としてくれる姿が愛しくて。
赤司はの体に優しく腕を回した。
「…わかっているよ。僕の我が儘で寂しい思いをさせてすまない。…このまま時が止まってしまえばいいのに。」