第1章 身長差の恋*伊月*火神*木吉
<そっちばっかりずるい!…頭なでさせて/木吉>
大好きな鉄平の大きな手。
優しく頭を撫でてくれるのも大好き。
だけど。
「おっ!、テーピング完璧じゃないか!」
「今日の弁当は、特に玉子焼きがうまかったぞ!」
「火神の勉強見てやるなんて、はいいやつだな!」
…何かあるごとに私の頭を撫でてくる。
確かに私は一つ年下だけど!
何だか子ども扱いされている気がしなくもない。
鉄平は天然ボケ男だけど、実は色んなこと知っていて深く考えている時もある。
精神的に「大人」だなって思う時もある。
「、待たせて悪かったな。帰ろーぜ!」
また頭の上から大きな手が伸びてきて、私の頭を上から下へと何度も撫でてくる。
むう、と膨れる私に気付いたのか、鉄平がどうしたんだ?って顔を覗き込んできた。
「ジュース奢ってやるから元気出せ!あそこの公園で飲もうぜ。」